鈴木智子さん (いちごホテルリート投資法人監督役員・鈴木智子公認会計士事務所・社外役員会計士協議会委員)

Q公認会計士を目指した経緯を教えてください

就職氷河期が始まり、漠然と手に職を…と思ったときに、一番身近な資格が公認会計士でした。(父が同業です。)

Q受験期間中の思い出を教えてください

文学部でしたので、財務諸表論もその他の試験科目も全く縁がなかったのですが、試験委員の先生方の著書を拝読し、世の中はそういう風にできているのか、と妙に感心したことを覚えています。

Q公認会計士試験合格後の略歴を教えてください

1996年に当時の監査法人トーマツに入所、2005年に独立し、現在に至ります。

Q現在の仕事内容について教えてください

個人事務所を開業しています。 また、地方自治体の審議会等の委員や、上場REITや非営利法人の役員に就いているほか、日本公認会計士協会では社外役員協議会の委員をさせて頂いております。 個人事務所でお引き受けしているNGOのお仕事では、アフリカや東南アジアの農村開発等の現場に行かせて頂きました。監査法人にいたら行くことはなかったでしょうから、本当に貴重な経験をさせて頂いたと思っています。

Q現在の仕事についてどのようにお感じになっていますか

自分には合っているようで、仕事はとても楽しいです。 また、各種の委員や、役員等として意思決定に参画することは、社会に一定の影響を与えられる可能性があり、とてもやりがいがあります。一方で、一回一回、自分が力を尽くせたのか、責任を果たせているのか、自問自答することは多いです。

Q差支えない範囲内で家族構成を教えてください

夫と、犬1頭と暮らしています。

Q仕事を行う上で心がけていることを教えてください

インフラとしての役割を果たすために全力を尽くせているかを気にするようにしています。公認会計士の使命は公認会計士法第1条で、「公認会計士は、監査及び会計の専門家として、独立した立場において、財務書類その他の財務に関する情報の信頼性を確保することにより、会社等の公正な事業活動、投資者及び債権者の保護等を図り、もつて国民経済の健全な発展に寄与することを使命とする。」とされており、また、第1条の2で公認会計士の職責については、「公認会計士は、常に品位を保持し、その知識及び技能の修得に努め、独立した立場において公正かつ誠実にその業務を行わなければならない。」とされています。最近、日々これらを忘れないことが本当に重要だと感じていますし、また、年々自分が何者であるのかを自問自答する機会が増えているように思います。

Q会計・監査の知識が現在の業務にどのように活かされているか教えてください

現在の仕事そのものです。 また、役員や委員としては、監査業務に携わる中でトーマツで先輩方から教えて頂いたことが大変役立っています。監査人としての職業的懐疑心に基づき、気になった点は徹底して追求するという姿勢が重要であると教わって参りました。なぜあの時にもう一歩踏み込んで質問をしなかったのかという後悔を残さないように、例えば会議の席できちんと質問し、本当に納得して意思決定に参画するという点で、その教えが生きています。追及される方にとっては、とっても嫌な相手と思います。

Qキャリアビジョンを教えてください。また、キャリアを実現するための課題があれば教えてください

最近80歳まで働きたいと考えるようになりました。健康を維持すること、体力をつけることが目下の課題です。

Qワークライフバランス実現に向けて、工夫されていることはありますか

数年前からなるべく残業はしないように心がけています。もちろんサービス業なので、当然思うとおりにはなりませんが、時間の使い方を随分工夫できるようになったと思います。男女問わず、ご家庭の事情等で働く時間に限りがある方は、皆さんご尽力なさっているのだろうなと実感しました。

Q疲れた時の、「自分へのご褒美」はどんなものですか

仕事も楽しいので、あまりご褒美という感じはありませんが、楽しみにしていることは、犬も連れて家族旅行に行くことです。また、友人たちと食事に行くこと、それを企画することも好きです。

Qあなた自身がロールモデルとしている人はいますか

残念ながら、自分は自分以外にはなれないので、特定のロールモデルという方を特に意識したことはありません。公認会計士には、人格者で、大変立派な先輩もたくさんいらっしゃいますし、特に女性にはびっくりするぐらい優秀でキラキラ素敵な先輩が大勢いらっしゃいます。でも地味で普通な私は、鈴木智子以外の何者でもなく、そして鈴木智子のあり方は自分で切り開きたいと思います。もちろん本当に有り難いことに先輩方からたくさんのことを教えて頂きましたし、今でも教えて頂いていますし、影響を受けたり見習ったりしていることはたくさんあると思います。

Q最近興味のあるトピックを教えてください(会計士業界以外のトピックでも可)

SDGs(持続可能な開発目標)と経営の統合に関心があります。 これまで、NPO/NGOの方たちや社会起業家の方たちと知り合う機会が色々ありましたが、そのさらに一歩先に時代が進んだと感じています。 MDGs の次のステップとして、社会の重要な構成員である企業にもSDGsの達成に向けた役割が国際社会で認められたということは大きな前進で、その中で自分がどのような役割を果たせるかを、いま考えています。

Q1か月間休暇が取れるとしたら、何をしたいですか

仕事をしたいです! あとは何年か会えていない友人たちと集まる機会を作りたいです。

Q公認会計士試験志望者へのメッセージをお願いします

公認会計士の仕事は多種多様な組織の全体像を、大勢の方にお話を伺いながら、客観的な立場から見ることのできるので、コミュニケーションが好きな方、好奇心の強い方にはもってこいのお仕事と思います。私たちは資本市場の番人と言われる社会のインフラですから、メンテナンスもして行かなくてはなりませんし、もちろん責任も大変重いですが、その分やりがいもあると感じています。 非財務情報の重要性が高まる中、公認会計士の役割も時代とともに変化して行くことと思われますが、これから受験なさる皆様が、ご自分に課したミッションに、公認会計士の職務を通じて得られる知識、経験、能力を役立ててくださることを期待いたします。

Q女性会計士へのメッセージをお願いします

新人の頃に尊敬する上司(女性)から、(組織の中で)言いたいことがあるならドンドン言った方がいいよ、という言葉を頂いたことがあります。組織を離れた今、つくづくそうだな、と感じています。 Gender Equalityについては、SDGsでもGoal5に掲げられているとおりですが、ダイバーシティを超えてソーシャルインクル―ジョンの時代ですから、(男女を問わず)もし何か生きづらさを抱えていらっしゃるようでしたら、より良い社会をつくるためにも、意思表示をして頂くことが大事なように思います。

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