梅澤真由美さん(管理会計ラボ株式会社 代表取締役)

Q公認会計士を目指した経緯を教えてください

大学の授業で簿記に触れ面白いと感じたのをきっかけに、簿記の独学から公認会計士試験受験に進みました。一方で、当時就職氷河期で就職活動に苦戦する友人を見て、資格は「人生の保険」になるのではという打算もありました(笑)。私は高校から大学院までずっと理系だったのですが、数字に強いのはリケジョ(理系女子)会計士の特権だと思っています。

Q受験期間中の思い出を教えてください

合格率が低いために頑張っても合格するかどうかわからないことがとても不安でした。勉強量も多く、精神的にきつかったのを今でもよく覚えています。でも、苦労した分なんとしても元を取らなくてはという思いが強く、合格から16年たっても、公認会計士として仕事を続けている気がします。

Q公認会計士試験合格後の略歴を教えてください

2002年に第2次試験に合格したあと、監査法人トーマツ(当時)で、IPOを含む国内外企業の監査を4年間経験しました。その後、いわゆる「企業内会計士」として、日本マクドナルド株式会社、ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社にて、通算10年勤務しました。経理、内部監査、経営企画など幅広い分野を経験し、管理職も務めました。ミーハーな性格なので、事業会社2社は自分が好きなサービスを提供する会社という理由で選んだものです。好きな会社を勤務先として選ぶのは、事業の理解がしやすく消費者としての感覚も生かせるので、個人的には有効な戦略だと思います(笑)。

Q現在の仕事内容について教えてください

現在は会計コンサルティング会社を経営しています。主に、管理会計や経理実務のコンサルティング、研修などを行っています。子どもたちの体調管理と本社の時差の関係で、外資系企業の管理職としての仕事が難しくなり、独立に至りました。独立するというと大変なイメージが先行しますが、わたしもかなり心配していたのですが、実際には自分の意思と判断とペースで仕事ができるので、むしろ働きやすいと私自身は感じています。

Q現在の仕事についてどのようにお感じになっていますか

楽しいです。管理会計や経理実務というニッチかつ得意な分野を専門に選んだので、やりがいを感じる場面も多いです。事業会社での経験から、「『経理ではたらく』を楽しくしたい」という思いが強く、セミナー受講者の方に「セミナー楽しかったです」といわれると、とても元気が出ます。

Q差支えない範囲内で家族構成を教えてください

同じく公認会計士で事業会社に勤務する夫と、2才の双子の子どもがいます。

Q仕事を行う上で心がけていることを教えてください

笑顔、笑い、雑談の3つです。自分の経験から、このどれかでもあればコミュニケーションがスムーズになり、楽しく仕事が進むので。

Q会計・監査の知識が現在の業務にどのように活かされているか教えてください

おかしな数字を見抜く嗅覚が強いことや、クライアントの会社状況を早く理解できること、クライアントのキーパーソンを一瞬で見抜けること。これらは、監査を通じて培われたスキルで、今もとても助かっています。

Qキャリアビジョンを教えてください。また、キャリアを実現するための課題があれば教えてください

自分が成長でき、楽しいと思える仕事をこれからもしていきたいと思っています。仕事は楽(ラク)ではないこともありますが、楽しく(たのしく)することはできると信じています。せっかく自分の人生の時間を使って仕事するからには、楽しい時間を過ごしたいと思っているので。

Qワークライフバランス実現に向けて、工夫されていることはありますか

自分で頑張りすぎないことを意識しています。便利なアプリや家電など、機械化や外部委託といった仕事の効率化のテクニックを家庭にも導入しています。また、属人化を防ぐ業務プロセスつくりでは、監査で身に着けた内部統制の考え方が大いに役立っています(笑)。

Q疲れた時の、「自分へのご褒美」はどんなものですか

たくさん用意しています(笑)。旅行、夫や友人と過ごす時間、甘いもの、お酒、リラクゼーションなど。

Qあなた自身がロールモデルとしている人はいますか

性別を問わず、たくさんいます。一人というよりは、多くの方の素晴らしいところをそれぞれまねしたいと思っています。そういう方とお会いする機会を積極的につくったり、気づいたことをメモして見直したりしています。

Q最近興味のあるトピックを教えてください(会計士業界以外のトピックでも可)

10年後、20年後の未来。AIなどのテクノロジーの進展で生産性が上がった世界で、人間はどのような生活をしているのか。

Q1か月間休暇が取れるとしたら、何をしたいですか

世界一周旅行。40か国以上に渡航済みですが、まだ行ったことがない国が100以上あるので。

Q公認会計士試験志望者へのメッセージをお願いします

プライベートとの両立が難しい局面に置かれたときに、自分が満足するかたちでキャリアを続けることができました。公認会計士である自分に救われたと思っています。 公認会計士は「資格」であって、「働き方」は多様です。監査法人勤務、事業会社勤務、独立と私はどの働き方も経験しましたが、それぞれのやりがいや楽しさがあります。それをすべて経験できるのも、そして最終的に自分で選ぶことができるのも、公認会計士のすばらしさだと思います。今では、受験生時代の苦労は、十分元が取れたと思っています(笑)

Q女性会計士へのメッセージをお願いします

頑張って取った公認会計士資格なのですから、好きな業界で働くなど自分の楽しい気持ちを大事にしてみるのもいいかなと思います。私は、資格が固くて安定感がある分、業種は「遊んで」バランスを取ろうと、比較的柔らかい業種を選んで働いてきました(笑)。何かあっても資格が助けてくれるという考えがあったからこそとれた選択肢だと思います。「公認会計士」というカードは、自分が思っているよりも強力で、周囲からの信頼は絶大です。ぜひそれを活かして、自分自身のために「公認会計士であること」をちょっとでも楽しんでいただけたら、仲間としてうれしいです。公認会計士というプロフェッショナルであることと、楽しく働くことは、決して相反することではありません。両方を手に入れることはできると、自分の経験から強く思います。

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