監査役等と監査人との連携の概要

「監査役会」と「会計監査人」との連携の相関図

平成17年6月以降、下記の様に企業内容の開示・監査に対する信頼性の向上に向けた法整備が相次いで講じられています。

  • 会社法において会計監査人の選任等に関する議案の決定権、会計監査人の報酬等の決定に当たって監査役等への同意権の付与等による監査人との連携強化を規定
  • 金融商品取引法において内部統制報告制度、四半期報告制度及び監査人による法令違反等事実発見時の通知・申出制度の導入や、公認会計士法等の一部改正による監査法人における品質管理の強化等を規定
  • 企業会計審議会から「監査基準の改訂及び監査における不正リスク対応基準の設定に関する意見書」が公表され、改訂監査基準により、監査の各段階において、適切に監査役等と協議する等、監査役等と連携を図らなければならないことが明記された

なお、協会では、会社法の改正及びコーポレートガバナンス・コードが公表されたことに伴い、今後、監査品質及び監査品質に影響を及ぼす要因に関する議論の機会が増えることが想定されることから、そのような監査の利害関係者における議論に資することを期待し、監査基準委員会研究報告第4号「監査品質の枠組み」(平成27年5月29日)を公表しております。

以下、監査役等と監査人の連携の概要に関し、関連する法令や基準の定めについて、並びに、具体的な連携の時期及び情報・意見交換すべき基本的事項の例示についてご紹介いたします。

監査役等と監査人の連携の具体的な方法には、会合、口頭又は文書による情報交換や、監査役・監査等委員・監査委員による監査人の監査現場への立会などがあります。

監査役等と監査人は、コミュニケーションに際して関係者全員に適切に情報が伝わるよう努めることが重要であり、具体的には、監査役等は、監査人の業務執行責任者に情報が伝わるよう配慮し、監査人は、監査役会・監査等委員会・監査委員会の一部の構成員のみならず、必要な場合は監査役会・監査等委員会・監査委員会とコミュニケーションを行うよう配慮することが必要です。また、監査役・監査等委員・監査委員は、職務上知り得た情報を他の監査役・監査等委員・監査委員と共有するよう努めることが重要と考えられています。

1. 監査役と監査人との連携に関する法令、基準について

(1)会社法

会計監査人の監査の方法と結果の相当性の判断に関する規定

会計監査人設置会社の監査役は、計算関係書類及び会計監査報告(第130条第3項に規定する場合にあっては、計算関係書類)を受領したときは、次に掲げる事項(監査役会設置会社の監査役の監査報告にあっては、第1号から第5号までに掲げる事項)を内容とする監査報告を作成しなければならない。

  • 会計監査人の監査の方法又は結果を相当でないと認めたときは、その旨及びその理由(第130条第3項に規定する場合にあっては、会計監査報告を受領していない旨)
  • 2監査役会監査報告は、次に掲げる事項を内容とするものでなければならない。この場合において、監査役は、当該事項に係る監査役会監査報告の内容が当該事項に係る監査役の監査役監査報告の内容と異なる場合には、当該事項に係る各監査役の監査役監査報告の内容を監査役会監査報告に付記することができる。
    • 前条第2号から第5号までに掲げる事項

会計監査人設置会社の特定監査役は、次の各号に掲げる監査報告の区分に応じ、当該各号に定める日までに、特定取締役及び会計監査人に対し、監査報告(監査役会設置会社にあっては、第128条第1項の規定により作成した監査役会の監査報告に限る。以下この条において同じ。)の内容を通知しなければならない。

  • 連結計算書類以外の計算関係書類についての監査報告 次に掲げる日のいずれか遅い日
    • 会計監査報告を受領した日(第130条第3項に規定する場合にあっては、同項の規定により監査を受けたものとみなされた日。次号において同じ。)から1週間を経過した日
    • 特定取締役及び特定監査役の間で合意により定めた日があるときは、その日
  • 連結計算書類についての監査報告 会計監査報告を受領した日から1週間を経過した日(特定取締役及び特定監査役の間で合意により定めた日がある場合にあっては、その日)

会計監査人による法令・定款違反発見時の報告義務

会計監査人は、その職務を行うに際して取締役の職務の執行に関し不正の行為又は法令若しくは定款に違反する重大な事実があることを発見したときは、遅滞なく、これを監査役に報告しなければならない。

  • 3監査役会設置会社における第1項の規定の適用については、同項中「監査役」とあるのは、「監査役会」とする。
  • 4監査等委員会設置会社における第1項及び第2項の規定の適用については、第1項中「監査役」とあるのは「監査等委員会」と、第2項中「監査役」とあるのは「監査等委員会が選定した監査等委員」とする。
  • 5指名委員会等設置会社における第1項及び第2項の規定の適用については、第1項中「取締役」とあるのは「執行役又は取締役」と、「監査役」とあるのは「監査委員会」と、第2項中「監査役」とあるのは「監査委員会が選定した監査委員会の委員」とする。

会計監査人に対する報告請求権

  • 2監査役は、その職務を行うため必要があるときは、会計監査人に対し、その監査に関する報告を求めることができる。
  • 4監査等委員会設置会社における第1項及び第2項の規定の適用については、第1項中「監査役」とあるのは「監査等委員会」と、第2項中「監査役」とあるのは「監査等委員会が選定した監査等委員」とする。
  • 5指名委員会等設置会社における第1項及び第2項の規定の適用については、第1項中「取締役」とあるのは「執行役又は取締役」と、「監査役」とあるのは「監査委員会」と、第2項中「監査役」とあるのは「監査委員会が選定した監査委員会の委員」とする。

会計監査人の選任等に関する議案の内容の決定権

監査役設置会社においては、株主総会に提出する会計監査人の選任及び解任並びに会計監査人を再任しないことに関する議案の内容は、監査役が決定する。

  • 2監査役が2人以上ある場合における前項の規定の適用については、同項中「監査役が」とあるのは、「監査役の過半数をもって」とする。
  • 3監査役会設置会社における第1項の規定の適用については、同項中「監査役」とあるのは、「監査役会」とする。

監査等委員会は、全ての監査等委員で組織する。

  • 3監査等委員会は、次に掲げる職務を行う。
    • 株主総会に提出する会計監査人の選任及び解任並びに会計監査人を再任しないことに関する議案の内容の決定
  • 2監査委員会は、次に掲げる職務を行う。
    • 株主総会に提出する会計監査人の選任及び解任並びに会計監査人を再任しないことに関する議案の内容の決定

取締役が会計監査人の選任に関する議案を提出する場合には、株主総会参考書類には、次に掲げる事項を記載しなければならない。

  • 次のイ又はロに掲げる場合の区分に応じ、当該イ又はロに定める事項
    • 候補者が公認会計士である場合 その氏名、事務所の所在場所、生年月日及び略歴
    • 候補者が監査法人である場合 その名称、主たる事務所の所在場所及び沿革
  • 就任の承諾を得ていないときは、その旨
  • 監査役(監査役会設置会社にあっては監査役会、監査等委員会設置会社にあっては監査等委員会、指名委員会等設置会社にあっては監査委員会)が当該候補者を会計監査人の候補者とした理由
  • 法第345条第5項において準用する同条第1項の規定による会計監査人の意見があるときは、その意見の内容の概要
  • 候補者と当該株式会社との間で法第427条第1項の契約を締結しているとき又は当該契約を締結する予定があるときは、その契約の内容の概要
  • 当該候補者が現に業務の停止の処分を受け、その停止の期間を経過しない者であるときは、当該処分に係る事項
  • 当該候補者が過去2年間に業務の停止の処分を受けた者である場合における当該処分に係る事項のうち、当該株式会社が株主総会参考書類に記載することが適切であるものと判断した事項
  • 株式会社が公開会社である場合において、当該候補者が次のイ又はロに掲げる場合の区分に応じ、当該イ又はロに定めるものから多額の金銭その他の財産上の利益(これらの者から受ける会計監査人(法以外の法令の規定によるこれに相当するものを含む。)としての報酬等及び公認会計士法第2条第1項に規定する業務の対価を除く。)を受ける予定があるとき又は過去2年間に受けていたときは、その内容
    • 当該株式会社に親会社等がある場合 当該株式会社、当該親会社等又は当該親会社等の子会社等(当該株式会社を除く。)若しくは関連会社(当該親会社等が会社でない場合におけるその関連会社に相当するものを含む。)
    • 当該株式会社に親会社等がない場合 当該株式会社又は当該株式会社の子会社若しくは関連会社

監査役等による会計監査人の解任権

監査役は、会計監査人が次のいずれかに該当するときは、その会計監査人を解任することができる。

  • 職務上の義務に違反し、又は職務を怠ったとき。
  • 会計監査人としてふさわしくない非行があったとき。
  • 心身の故障のため、職務の執行に支障があり、又はこれに堪えないとき。
  • 2前項の規定による解任は、監査役が2人以上ある場合には、監査役の全員の同意によって行わなければならない。
  • 3第1項の規定により会計監査人を解任したときは、監査役(監査役が2人以上ある場合にあっては、監査役の互選によって定めた監査役)は、その旨及び解任の理由を解任後最初に招集される株主総会に報告しなければならない。
  • 4監査役会設置会社における前3項の規定の適用については、第1項中「監査役」とあるのは「監査役会」と、第2項中「監査役が2人以上ある場合には、監査役」とあるのは「監査役」と、前項中「監査役(監査役が2人以上ある場合にあっては、監査役の互選によって定めた監査役)」とあるのは「監査役会が選定した監査役」とする。
  • 5監査等委員会設置会社における第1項から第3項までの規定の適用については、第1項中「監査役」とあるのは「監査等委員会」と、第2項中「監査役が2人以上ある場合には、監査役」とあるのは「監査等委員」と、第3項中「監査役(監査役が2人以上ある場合にあっては、監査役の互選によって定めた監査役)」とあるのは「監査等委員会が選定した監査等委員」とする。
  • 6指名委員会等設置会社における第1項から第3項までの規定の適用については、第1項中「監査役」とあるのは「監査委員会」と、第2項中「監査役が2人以上ある場合には、監査役」とあるのは「監査委員会の委員」と、第3項中「監査役(監査役が2人以上ある場合にあっては、監査役の互選によって定めた監査役)」とあるのは「監査委員会が選定した監査委員会の委員」とする。

取締役が会計監査人の解任又は不再任に関する議案を提出する場合には、株主総会参考書類には、次に掲げる事項を記載しなければならない。

  • 会計監査人の氏名又は名称
  • 監査役(監査役会設置会社にあっては監査役会、監査等委員会設置会社にあっては監査等委員会、指名委員会等設置会社にあっては監査委員会)が議案の内容を決定した理由
  • 法第345条第5項において準用する同条第1項の規定による会計監査人の意見があるときは、その意見の内容の概要

会計監査人に対する報酬の同意権

取締役は、会計監査人又は一時会計監査人の職務を行うべき者の報酬等を定める場合には、監査役(監査役が2人以上ある場合にあっては、その過半数)の同意を得なければならない。

  • 2監査役会設置会社における前項の規定の適用については、同項中「監査役(監査役が2人以上ある場合にあっては、その過半数)」とあるのは、「監査役会」とする。
  • 3監査等委員会設置会社における第1項の規定の適用については、同項中「監査役(監査役が2人以上ある場合にあっては、その過半数)」とあるのは、「監査等委員会」とする。
  • 4指名委員会等設置会社における第1項の規定の適用については、同項中「監査役(監査役が2人以上ある場合にあっては、その過半数)」とあるのは、「監査委員会」とする。

会計監査報告の通知期限等(会計監査人の会計監査報告の内容の通知を受ける権限)

会計監査人は、次の各号に掲げる会計監査報告の区分に応じ、当該各号に定める日までに、特定監査役及び特定取締役に対し、当該会計監査報告の内容を通知しなければならない。

一. 各事業年度に係る計算書類及びその附属明細書についての会計監査報告
次に掲げる日のいずれか遅い日
  • 当該計算書類の全部を受領した日から4週間を経過した日
  • 当該計算書類の附属明細書を受領した日から1週間を経過した日
  • 特定取締役、特定監査役及び会計監査人の間で合意により定めた日があるときは、その日
二. 臨時計算書類についての会計監査報告
次に掲げる日のいずれか遅い日
  • 当該臨時計算書類の全部を受領した日から4週間を経過した日
  • 特定取締役、特定監査役及び会計監査人の間で合意により定めた日があるときは、その日
三. 連結計算書類についての会計監査報告
当該連結計算書類の全部を受領した日から4週間を経過した日(特定取締役、特定監査役及び会計監査人の間で合意により定めた日がある場合にあっては、その日)
  • 2計算関係書類については、特定監査役及び特定取締役が前項の規定による会計監査報告の内容の通知を受けた日に、会計監査人の監査を受けたものとする。
  • 3前項の規定にかかわらず、会計監査人が第1項の規定により通知をすべき日までに同項の規定による会計監査報告の内容の通知をしない場合には、当該通知をすべき日に、計算関係書類については、会計監査人の監査を受けたものとみなす。
  • 4第1項及び第2項に規定する「特定取締役」とは、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める者(当該株式会社が会計参与設置会社である場合にあっては、当該各号に定める者及び会計参与)をいう(第132条において同じ。)。
    • 第1項の規定による通知を受ける者を定めた場合 当該通知を受ける者として定められた者
    • 前号に掲げる場合以外の場合 監査を受けるべき計算関係書類の作成に関する職務を行った取締役及び執行役
  • 5第1項及び第2項に規定する「特定監査役」とは、次の各号に掲げる株式会社の区分に応じ、当該各号に定める者とする(以下この章において同じ。)。
    • 監査役設置会社(監査役会設置会社を除く。) 次のイからハまでに掲げる場合の区分に応じ、当該イからハまでに定める者
      • 2以上の監査役が存する場合において、第1項の規定による会計監査報告の内容の通知を受ける監査役を定めたとき 当該通知を受ける監査役として定められた監査役
      • 2以上の監査役が存する場合において、第1項の規定による会計監査報告の内容の通知を受ける監査役を定めていないとき 全ての監査役
      • イ又はロに掲げる場合以外の場合 監査役
    • 監査役会設置会社 次のイ又はロに掲げる場合の区分に応じ、当該イ又はロに定める者
      • 監査役会が第1項の規定による会計監査報告の内容の通知を受ける監査役を定めた場合 当該通知を受ける監査役として定められた監査役
      • イに掲げる場合以外の場合 全ての監査役
    • 監査等委員会設置会社 次のイ又はロに掲げる場合の区分に応じ、当該イ又はロに定める者
      • 監査等委員会が第1項の規定による会計監査報告の内容の通知を受ける監査等委員を定めた場合 当該通知を受ける監査等委員として定められた監査等委員
      • イに掲げる場合以外の場合 監査等委員のうちいずれかの者
    • 指名委員会等設置会社 次のイ又はロに掲げる場合の区分に応じ、当該イ又はロに定める者
      • 監査委員会が第1項の規定による会計監査報告の内容の通知を受ける監査委員を定めた場合 当該通知を受ける監査委員として定められた監査委員
      • イに掲げる場合以外の場合 監査委員のうちいずれかの者

会計監査人の職務の遂行に関する事項(会計監査人の職務遂行に関する事項の通知を受ける権限)

会計監査人は、前条第1項の規定による特定監査役に対する会計監査報告の内容の通知に際して、当該会計監査人についての次に掲げる事項(当該事項に係る定めがない場合にあっては、当該事項を定めていない旨)を通知しなければならない。ただし、全ての監査役(監査等委員会設置会社にあっては監査等委員会、指名委員会等設置会社にあっては監査委員会)が既に当該事項を知っている場合は、この限りでない。

  • 独立性に関する事項その他監査に関する法令及び規程の遵守に関する事項
  • 監査、監査に準ずる業務及びこれらに関する業務の契約の受任及び継続の方針に関する事項
  • 会計監査人の職務の遂行が適正に行われることを確保するための体制に関するその他の事項

会計監査人設置会社の監査役等の監査報告の通知期限

会計監査人設置会社の特定監査役は、次の各号に掲げる監査報告の区分に応じ、当該各号に定める日までに、特定取締役及び会計監査人に対し、監査報告(監査役会設置会社にあっては、第128条第1項の規定により作成した監査役会の監査報告に限る。以下この条において同じ。)の内容を通知しなければならない。

  • 連結計算書類以外の計算関係書類についての監査報告 次に掲げる日のいずれか遅い日
    • 会計監査報告を受領した日(第130条第3項に規定する場合にあっては、同項の規定により監査を受けたものとみなされた日。次号において同じ。)から1週間を経過した日
    • 特定取締役及び特定監査役の間で合意により定めた日があるときは、その日
  • 連結計算書類についての監査報告 会計監査報告を受領した日から1週間を経過した日(特定取締役及び特定監査役の間で合意により定めた日がある場合にあっては、その日)
  • 2計算関係書類については、特定取締役及び会計監査人が前項の規定による監査報告の内容の通知を受けた日に、監査役(監査等委員会設置会社にあっては監査等委員会、指名委員会等設置会社にあっては監査委員会)の監査を受けたものとする。
  • 3前項の規定にかかわらず、特定監査役が第1項の規定により通知をすべき日までに同項の規定による監査報告の内容の通知をしない場合には、当該通知をすべき日に、計算関係書類については、監査役(監査等委員会設置会社にあっては監査等委員会、指名委員会等設置会社にあっては監査委員会)の監査を受けたものとみなす。

会計監査人設置会社における事業報告の内容

株式会社が当該事業年度の末日において会計監査人設置会社である場合には、次に掲げる事項(株式会社が当該事業年度の末日において公開会社でない場合にあっては、第2号から第4号までに掲げる事項を除く。)を事業報告の内容としなければならない。

  • 会計監査人の氏名又は名称
  • 当該事業年度に係る各会計監査人の報酬等の額及び当該報酬等について監査役(監査役会設置会社にあっては監査役会、監査等委員会設置会社にあっては監査等委員会、指名委員会等設置会社にあっては監査委員会)が法第399条第1項の同意をした理由
  • 会計監査人に対して公認会計士法第2条第1項の業務以外の業務(以下この号において「非監査業務」という。)の対価を支払っているときは、その非監査業務の内容
  • 会計監査人の解任又は不再任の決定の方針
  • 会計監査人が現に業務の停止の処分を受け、その停止の期間を経過しない者であるときは、当該処分に係る事項
  • 会計監査人が過去2年間に業務の停止の処分を受けた者である場合における当該処分に係る事項のうち、当該株式会社が事業報告の内容とすることが適切であるものと判断した事項
  • 会計監査人と当該株式会社との間で法第427条第1項の契約を締結しているときは、当該契約の内容の概要(当該契約によって当該会計監査人の職務の適正性が損なわれないようにするための措置を講じている場合にあっては、その内容を含む。)
  • 株式会社が法第444条第3項に規定する大会社であるときは、次に掲げる事項
    • 当該株式会社の会計監査人である公認会計士(公認会計士法第16条の2第5項に規定する外国公認会計士を含む。以下この条において同じ。)又は監査法人に当該株式会社及びその子会社が支払うべき金銭その他の財産上の利益の合計額(当該事業年度に係る連結損益計算書に計上すべきものに限る。)
    • 当該株式会社の会計監査人以外の公認会計士又は監査法人(外国におけるこれらの資格に相当する資格を有する者を含む。)が当該株式会社の子会社(重要なものに限る。)の計算関係書類(これに相当するものを含む。)の監査(法又は金融商品取引法(これらの法律に相当する外国の法令を含む。)の規定によるものに限る。)をしているときは、その事実
  • 辞任した会計監査人又は解任された会計監査人(株主総会の決議によって解任されたものを除く。)があるときは、次に掲げる事項(当該事業年度前の事業年度に係る事業報告の内容としたものを除く。)
    • 当該会計監査人の氏名又は名称
    • 法第340条第3項の理由があるときは、その理由
    • 法第345条第5項において読み替えて準用する同条第1項の意見があるときは、その意見の内容
    • 法第345条第5項において読み替えて準用する同条第2項の理由又は意見があるときは、その理由又は意見
  • 法第459条第1項の規定による定款の定めがあるときは、当該定款の定めにより取締役会に与えられた権限の行使に関する方針

(2)金融商品取引法

監査人による法令違反等事実発見時の監査役等への通知義務

公認会計士又は監査法人が、前条第1項の監査証明を行うに当たって、特定発行者における法令に違反する事実その他の財務計算に関する書類の適正性の確保に影響を及ぼすおそれがある事実(次項第1号において「法令違反等事実」という。)を発見したときは、当該事実の内容及び当該事実に係る法令違反の是正その他の適切な措置をとるべき旨を、遅滞なく、内閣府令で定めるところにより、当該特定発行者に書面で通知しなければならない。

  • 2前項の規定による通知を行った公認会計士又は監査法人は、当該通知を行った日から政令で定める期間が経過した日後なお次に掲げる事項のすべてがあると認める場合において、第1号に規定する重大な影響を防止するために必要があると認めるときは、内閣府令で定めるところにより、当該事項に関する意見を内閣総理大臣に申し出なければならない。この場合において、当該公認会計士又は監査法人は、あらかじめ、内閣総理大臣に申出をする旨を当該特定発行者に書面で通知しなければならない。
    • 法令違反等事実が、特定発行者の財務計算に関する書類の適正性の確保に重大な影響を及ぼすおそれがあること。
    • 前項の規定による通知を受けた特定発行者が、同項に規定する適切な措置をとらないこと。
  • 3前項の規定による申出を行った公認会計士又は監査法人は、当該特定発行者に対して当該申出を行った旨及びその内容を書面で通知しなければならない。

(3)金融庁

企業会計審議会

① 監査基準
監査基準 第三 実施基準 一 基本原則 7

監査人は、監査の各段階において、監査役等と協議する等適切な連携を図らなければならない。

② 監査における不正リスク対応基準
第二 不正リスクに対応した監査の実施

監査人は、経営者、監査役等及び必要な場合には関連するその他の企業構成員に、不正リスクに関連して把握している事実を質問しなければならない。

また、監査人は、経営者に対して、当該企業において想定される不正の要因、態様及び不正への対応策等に関する経営者の考え方を質問し、リスク評価に反映しなければならない。

監査人は、監査の各段階において、不正リスクの内容や程度に応じ、適切に監査役等と協議する等、監査役等との連携を図らなければならない。

監査人は、不正による重要な虚偽の表示の疑義があると判断した場合には、速やかに監査役等に報告するとともに、監査を完了するために必要となる監査手続の種類、時期及び範囲についても協議しなければならない。

監査人は、監査実施の過程において経営者の関与が疑われる不正を発見した場合には、監査役等に報告し、協議の上、経営者に問題点の是正等適切な措置を求めるとともに、当該不正が財務諸表に与える影響を評価しなければならない。

③ 財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準
Ⅲ. 財務報告に係る内部統制の監査 4.内部統制監査の実施

監査人は、内部統制監査の実施において内部統制の開示すべき重要な不備を発見した場合には、経営者に報告して是正を求めるとともに、当該開示すべき重要な不備の是正状況を適時に検討しなければならない。また、監査人は、当該開示すべき重要な不備の内容及びその是正結果を取締役会及び監査役又は監査委員会に報告しなければならない。

監査人は、内部統制の不備を発見した場合も、適切な者に報告しなければならない。

監査人は、内部統制監査の結果について、経営者、取締役会及び監査役又は監査委員会に報告しなければならない。

  • 監査人は、内部統制監査の過程で発見された内部統制の開示すべき重要な不備については、会社法監査の終了日までに、経営者、取締役会及び監査役又は監査委員会に報告することが必要になると考えられる。

監査人は、内部統制監査の実施において不正又は法令に違反する重大な事実を発見した場合には、経営者、取締役会及び監査役又は監査委員会に報告して適切な対応を求めるとともに、内部統制の有効性に及ぼす影響の程度について評価しなければならない。

監査人は、内部統制監査の実施において不正又は法令に違反する事実を発見した場合には、経営者、取締役会及び監査役又は監査委員会に対して適時に報告して適切な対応を求めるとともに、内部統制の有効性に及ぼす影響の程度について検討し、その結果、その事実が内部統制の不備又は開示すべき重要な不備に該当する場合には上記(3)に記載した対応を取らなければならない。

監査人は、効果的かつ効率的な監査を実施するために、監査役又は監査委員会との連携の範囲及び程度を決定しなければならない。

監査人は、効果的かつ効率的な監査を実施するために、監査役等との連携の範囲及び程度を決定しなければならない。ここで、連携の方法、時期及び情報や意見を交換すべき事項等については、被監査会社の置かれた状況等に応じて、監査役等との合意により決定される。

監査法人のガバナンス・コードに関する有識者検討会

(4)日本監査役協会

(5)日本公認会計士協会

  • 29監査事務所は、それぞれの業務に対して監査責任者を選任し、以下の事項を含む方針及び手続を定めなければならない。(A26項参照)
    • (1)監査責任者の氏名と職責を関与先の経営者及び監査役若しくは監査役会、監査等委員会又は監査委員会(以下、監査役若しくは監査役会、監査等委員会又は監査委員会を「監査役等」という。)に伝達しなければならないこと。
    • (2)監査責任者が、その職責を果たすための適切な適性、能力及び権限を有しなければならないこと。
    • (3)監査責任者の責任が明確に定められ、各監査責任者に伝達されなければならないこと。
  • 20監査人は、監査役等にその企業に影響を及ぼす不正、不正の疑い又は不正の申立てを把握しているかどうかを質問しなければならない。これらの質問は、経営者の回答を補強するためにも行われる。
  • 37監査人は、不正又は不正の疑いにより虚偽表示が行われ、監査契約の継続が問題となるような例外的な状況に直面した場合には、以下を実施しなければならない。(A52項からA54項参照)
    • (1)その状況において必要となる職業的専門家としての基準及び適用される法令上の責任を判断すること。(企業、監査役等又は規制当局等の第三者への報告が必要かどうかを含む。)
    • (2)監査契約の解除が可能な場合、監査契約の解除の当否を考慮すること。
    • (3)監査人が監査契約を解除する場合には、以下の事項を実施すること。
      1. 監査契約の解除及びその理由に関して、適切な階層の経営者及び監査役等と協議すること。
      2. 職業的専門家としての基準及び適用される法令等に基づき、企業又は規制当局等に、監査契約の解除及びその理由を報告する必要性について検討すること。
  • F39-2監査人は、経営者の関与が疑われる不正又は不正の疑い(不正リスク対応基準で規定されている不正による重要な虚偽表示の疑義があると判断した場合を含む。)を発見した場合には、第40項に従って監査役等に報告し、協議の上、経営者に問題点の是正等適切な措置を求めなければならない。
  • 40監査人は、以下の企業に影響を与える不正を識別したか又は不正の疑い(不正リスク対応基準が適用される場合、不正による重要な虚偽表示の疑義があると判断した場合を含む。)を抱いた場合、適時に、監査役等に伝達しなければならない。
    • (1)経営者による不正又は不正の疑い
    • (2)内部統制において重要な役割を担っている従業員による不正又は不正の疑い
    • (3)上記以外の者による財務諸表に重要な影響を及ぼす可能性がある不正又は不正の疑い
    監査人は、不正又は不正の疑いに経営者の関与が疑われる場合、監査役等に報告するとともに、監査を完了するため必要となる監査手続の種類、時期及び範囲についても協議しなければならない。(A58項からA60項参照)
  • 41監査人は、不正に関連するその他の事項で、監査役等の責任に関係すると判断した事項を監査役等に伝達しなければならない。(A61項参照)
  • 13監査人は、財務諸表に重要な影響を及ぼすことがあるその他の法令への違反の識別に資する以下の監査手続を実施しなければならない。
    • (1)企業がその他の法令を遵守しているかどうかについて、経営者及び適切な場合には監査役等へ質問をする。
    • (2)関連する許認可等を行う規制当局とのやりとりを示した文書がある場合には、それを閲覧する。(A8項及びA9項参照)
  • 18監査人は、違法行為が疑われる場合、当該事項について経営者、及び必要に応じて監査役等と協議しなければならない。企業が法令を遵守していることを裏付ける十分な情報を経営者からも監査役等を通じても入手できず、違法行為が財務諸表に重要な影響を及ぼす可能性があると監査人が判断した場合、監査人は、法律専門家に助言を求める必要があるかを検討しなければならない。(A14項及びA15項参照)
  • 21監査人は、監査の実施過程で気付いた違法行為又はその疑いに関連する事項を、明らかに軽微である場合を除き、監査役等に報告しなければならない。
  • 22監査人は、第21項に記載している違法行為又はその疑いが故意でかつ重要であると判断する場合、当該事項を監査役等に速やかに報告しなければならない。
  • 23監査人は、経営者又は監査役等の違法行為への関与が疑われる場合、当該者より上位又は当該者を監督する機関又は者が存在するときは、当該機関又は者にその事項を報告しなければならない。そのような上位の者又は機関が存在しない場合、又は当該事項を報告しても対応がなされないと考えられる場合、若しくは報告すべき相手が不明瞭な場合、監査人は、法律専門家の助言を求めることを検討しなければならない。
  • 10監査人は、企業統治の構造に応じてコミュニケーションを行うことが適切な統治責任者を判断しなければならない。第9項(2)に記載のとおり、特に断りのない限り品質管理基準委員会報告書及び監査基準委員会報告書では、監査役等とのコミュニケーションを想定している。(A1項からA4項参照)
  • 11監査人は、監査役会、監査等委員会又は監査委員会を構成する個人とコミュニケーションを行う場合には、全ての監査役、監査等委員又は監査委員に適切に情報が伝わるように、監査役会、監査等委員会又は監査委員会にもコミュニケーションを行うことが必要かどうかを判断しなければならない。(A5項からA7項参照)
  • 12監査人は、財務諸表監査に関連する監査人の責任について、監査役等とコミュニケーションを行わなければならない。財務諸表監査に関連する監査人の責任についての監査役等とのコミュニケーションには、以下の事項を含めなければならない。
    • (1)監査人は、経営者が作成する財務諸表に対して監査意見を形成し、表明する責任を有すること
    • (2)財務諸表監査は、経営者又は監査役等の責任を代替するものではないこと(A8項及びA9項参照)
  • 13監査人は、計画した監査の範囲とその実施時期の概要について、監査役等とコミュニケーションを行わなければならない。これには監査人により識別された特別な検討を必要とするリスクが含まれる。(A10項からA14項参照)
  • 14監査人は、以下について、監査役等とコミュニケーションを行わなければならない。(A15項参照)
    • (1)会計方針、会計上の見積り及び財務諸表の開示を含む、企業の会計実務の質的側面のうち重要なものについての監査人の見解
      監査人は、会計実務が、適用される財務報告の枠組みの下で受入可能であるが、企業の特定の状況においては最適なものではないと考える場合は、その理由を監査役等に説明しなければならない。(A16項参照)
    • (2)監査期間中に困難な状況に直面した場合は、その状況(A17項参照)
    • (3)監査の過程で発見され、経営者と協議したか又は経営者に伝達した重要な事項(A18項参照)
    • (4)監査人が要請した経営者確認書の草案
    • (5)監査の過程で発見され、監査人が、職業的専門家としての判断において財務報告プロセスに対する監査役等による監視にとって重要と判断したその他の事項(A19項参照)
  • 15監査人は、独立性に関する指針に準拠して策定された監査事務所の方針及び手続に従い、独立性に関して監査役等とコミュニケーションを行わなければならない。上場企業の場合、監査人は、以下について、監査役等とコミュニケーションを行わなければならない。(A20項からA22項参照)
    • (1)監査チーム及び必要な範囲の監査事務所の他の構成員、監査事務所、並びに該当する場合ネットワーク・ファームが、独立性についての職業倫理に関する規定を遵守した旨
    • (2)次に掲げる事項
      • 監査事務所、ネットワーク・ファームと企業の間の関係及びその他の事項で、監査人の職業的専門家としての判断により、独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項
        これには、監査事務所とネットワーク・ファームが企業及び企業が支配する構成単位に対して提供した監査及び監査以外の業務について、監査対象期間に関連した報酬金額を含めなければならない。これらの報酬に関する情報は、監査人の独立性に与える影響を監査役等が評価するのに役立つ程度に集計し、適切に区分しなければならない。
      • 認識した独立性に対する阻害要因を除去する又は許容可能な水準まで軽減するために講じられたセーフガード
  • 15-2監査人は、少なくとも以下に該当する監査の場合は、監査事務所の品質管理のシステムの整備・運用状況の概要を監査役等に書面で伝達しなければならない。これには、監査事務所の品質管理のシステムの外部のレビュー又は検査の結果が含まれる。
    • 公認会計士法上の大会社等の監査
    • 会計監査人設置会社の監査
    • 信用金庫、信用協同組合及び労働金庫の監査
  • 16監査人は、想定されるコミュニケーションの手段、実施時期及び内容について、監査役等とコミュニケーションを行わなければならない。(A27項からA35項参照)
  • 17監査人は、職業的専門家としての判断により、口頭によるコミュニケーションが適切ではないと考える場合、監査上の重要な発見事項について、監査役等と書面によりコミュニケーションを行わなければならない。書面によるコミュニケーションには、監査の実施過程で生じた全ての事項を含める必要はない。(A36項からA38項参照)
  • 18上場企業の場合、監査人は、第15項に記載した監査人の独立性について、監査役等と書面によるコミュニケーションを行わなければならない。
  • 19監査人は、監査役等とのコミュニケーションを適時に行わなければならない。(A39項及びA40項参照)
  • 8監査人は、監査の過程で識別した重要な不備を、適時に、書面により監査役等に報告しなければならない。(A12項からA18項参照)
  • 11監査人は、未修正の虚偽表示の内容とそれが個別に又は集計して監査意見に与える影響について、監査役若しくは監査役会、監査等委員会又は監査委員会(以下「監査役等」という。)に報告しなければならない。未修正の虚偽表示のうち重要な虚偽表示がある場合には、監査人は、監査役等が経営者に重要な虚偽表示の修正を求めることができるように、未修正の重要な虚偽表示であることを明示して報告しなければならない。(A18項からA20項参照)
  • 12監査人は、監査役等に、過年度の未修正の虚偽表示が関連する取引種類、勘定残高又は開示等及び全体としての財務諸表に与える影響について報告しなければならない。
  • 8監査人は、確認依頼の送付に経営者が同意しないことに合理性がないと結論付けた場合又は代替的な監査手続から適合性と証明力のある監査証拠を入手できなかった場合、監査基準委員会報告書260「監査役等とのコミュニケーション」第14項に従い、監査役若しくは監査役会、監査等委員会又は監査委員会に報告しなければならない。また、監査人は、監査基準委員会報告書705「独立監査人の監査報告書における除外事項付意見」に従い、監査の継続と監査意見に対する影響を判断しなければならない。
  • 6監査人は、期首残高に当年度の財務諸表に重要な影響を及ぼす可能性のある虚偽表示が含まれているという監査証拠を入手した場合、当年度の財務諸表に対する影響を判断するために、個々の状況に応じた適切な追加的監査手続を実施しなければならない。
    監査人は、当年度の財務諸表にそのような虚偽表示が存在すると判断した場合、監査基準委員会報告書450「監査の過程で識別した虚偽表示の評価」に従って、当該虚偽表示について適切な階層の経営者及び監査役若しくは監査役会、監査等委員会又は監査委員会に報告しなければならない。(監基報450第7項及び第11項参照)
    監査人は、監査期間中に、当年度の財務諸表にそのような虚偽表示が存在すると判断した場合には、その事項に関し、前任監査人を含め三者間で協議するよう会社に対し求めなければならない。
  • 26監査人は、監査期間中に発生した関連当事者に関連する重要な事項について、監査役若しくは監査役会、監査等委員会又は監査委員会(以下「監査役等」という。)とのコミュニケーションを実施しなければならない。(A49項参照)
  • 6監査人は、期末日の翌日から監査報告書日までの期間を対象として、第5項が要求する手続を実施しなければならない。
    監査人は、第5項の監査手続の種類及び範囲を決定する際には、リスク評価の結果を勘案しなければならない。これらの監査手続には、以下のものを含めなければならない。(A6項及びA7項参照)
    • (1)後発事象を識別するために経営者が実施している手続を理解すること
    • (2)経営者に、財務諸表に影響を及ぼす可能性のある後発事象が発生したかどうか質問すること(A8項参照)
    • (3)期末日後に取締役会、監査役会、監査等委員会又は監査委員会、株主総会が開催されている場合、その議事録を閲覧する。議事録が入手できない場合には、会議で討議された事項について質問すること
  • 9監査人は、監査報告書日後に、財務諸表に関していかなる監査手続を実施する義務も負わない。
    しかしながら、監査報告書日の翌日から財務諸表の発行日までの間に、もし監査報告書日現在に気付いていたとしたら、監査報告書を修正する原因となった可能性のある事実を知るところとなった場合には、監査人は以下の手続を実施しなければならない。(A9項参照)
    • (1)経営者(及び適切な場合、監査役若しくは監査役会、監査等委員会又は監査委員会(以下「監査役等」という。))と当該事項について協議すること
    • (2)財務諸表の修正又は財務諸表における開示が必要かどうか判断すること
    • (3)財務諸表の修正又は財務諸表における開示が必要な場合、当該事項について財務諸表でどのように扱う予定であるか経営者に質問すること
  • 12監査人が財務諸表の修正又は財務諸表における開示が必要であると判断する状況において、経営者が財務諸表の修正又は開示を行わない場合には、以下のいずれかの手続を実施しなければならない。
    • (1)まだ監査報告書を企業に提出していない場合、監査基準委員会報告書705「独立監査人の監査報告書における除外事項付意見」に従って、監査意見に及ぼす影響を考慮した上で、監査報告書を提出すること
    • (2)既に監査報告書を企業に提出している場合、監査人は、経営者及び監査役等に、必要な財務諸表の修正又は財務諸表における開示を行うまでは、財務諸表を第三者に対して発行しないよう通知すること
    それにもかかわらず、必要な修正又は開示を行う前の財務諸表が発行された場合、監査人は、財務諸表の利用者による監査報告書への依拠を防ぐための適切な措置を講じなければならない。(A11項及びA12項参照)
  • 13監査人は、財務諸表が発行された後に、当該財務諸表に関していかなる監査手続を実施する義務も負わない。
    しかしながら、財務諸表が発行された後に、もし監査報告書日現在に気付いていたとしたら、監査報告書を修正する原因となった可能性のある事実を知るところとなった場合には、監査人は以下の手続を実施しなければならない。
    • (1)経営者(及び適切な場合、監査役等)と当該事項について協議すること
    • (2)財務諸表の訂正が必要かどうか判断すること
    • (3)財務諸表の訂正が必要な場合、当該事項について財務諸表でどのように扱う予定であるか経営者に質問すること
  • 16経営者が財務諸表の訂正について、以前に発行した財務諸表を受領した全ての者に対して伝達するために必要な対応を行わない場合、及び財務諸表に訂正が必要であると監査人が判断しているにもかかわらず経営者が財務諸表を訂正しない場合、監査人は、経営者及び監査役等に、財務諸表の利用者による監査報告書への依拠を防ぐための措置を講じる予定であることを通知しなければならない。(監査基準委員会報告書260「監査役等とのコミュニケーション」参照)
    このような通知にもかかわらず、経営者が必要な対応を行わない場合、監査人は、監査報告書への依拠を防ぐための適切な措置を講じなければならない。(A13項参照)
  • 22監査人は、監査役若しくは監査役会、監査等委員会又は監査委員会(以下「監査役等」という。)に、識別した継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況についてコミュニケーションを行わなければならない。監査役等とのコミュニケーションには、以下を含めなければならない。
    • (1)当該事象又は状況が重要な不確実性を構成するかどうか。
    • (2)継続企業を前提として財務諸表を作成及び表示することが適切であるかどうか。
    • (3)財務諸表における注記の適切性
  • 48グループ監査チームは、監査基準委員会報告書260「監査役等とのコミュニケーション」の要求事項に加えて、以下の事項についてグループ統治責任者とコミュニケーションを行わなければならない。(A64項参照)
    • (1)構成単位の財務情報について実施する作業の種類の概要
    • (2)重要な構成単位の財務情報について構成単位の監査人が実施する作業に関してグループ監査チームが予定している関与の概要
    • (3)グループ監査チームが構成単位の監査人の作業を評価したことによって判明した作業の品質に関する懸念事項
    • (4)グループ財務諸表の監査に対する制約(例えば、グループ監査チームの情報の入手が制限されていること。)
    • (5)以下の不正又は不正の疑い
      • グループ経営者による不正又は不正の疑い
      • 構成単位の経営者による不正又は不正の疑い
      • グループ全体統制において重要な役割を担っている従業員による不正又は不正の疑い
      • 不正がグループ財務諸表の重要な虚偽表示となる場合には、上記以外の者による不正又は不正の疑い(A58-2項及びFA64-2項参照)
  • 11経営者が、第10項に記載した制約を取り除くことを拒否した場合、監査人は、監査役若しくは監査役会、監査等委員会又は監査委員会(以下「監査役等」という。)に当該事項を報告するとともに、十分かつ適切な監査証拠を入手するための代替手続を実施できるかどうかを判断しなければならない。
  • 13監査人は、第12項(2)①に従い監査契約を解除する場合には、監査契約を解除する前に、監査の過程で識別した除外事項付意見の原因となる虚偽表示に関する事項を、監査役等に報告しなければならない。(A14項参照)
  • 18財務諸表に開示することが必要な情報が開示されていない場合、監査人は、以下を行わなければならない。
    • (1)監査役等と、必要な情報が開示されていないことについて協議する。
    • (2)除外事項付意見の根拠区分において、どのような情報が開示されていないかについて記載する。
    • (3)法令等で禁止されていない場合、実務的に困難でなく、かつ監査人が開示されていない情報について十分かつ適切な監査証拠を入手したときは、監査人は、除外事項付意見の根拠区分に、開示されていない情報を記載しなければならない。(A18項参照)
  • 27監査人は、監査報告書において除外事項付意見の表明が見込まれる場合、その原因となる状況と、除外事項付意見の文言の草案について、監査役等に報告しなければならない。(A24項参照)
  • 8監査人は、監査報告書に強調事項区分又はその他の事項区分を設けることが見込まれる場合、その旨と当該区分の文言の草案について、監査役若しくは監査役会、監査等委員会又は監査委員会(以下、「監査役等」という。)に報告しなければならない。(A11項参照)
  • 17監査人は、前任監査人が以前に無限定意見を表明した前年度の財務諸表に影響を及ぼす重要な虚偽表示が存在すると判断する場合、当該虚偽表示について適切な階層の経営者及び監査役若しくは監査役会、監査等委員会又は監査委員会(以下「監査役等」という。)に報告するとともに、前任監査人を含め三者間で協議するよう求めなければならない。
    前年度の財務諸表が訂正され、前任監査人が、訂正された前年度の財務諸表に対して新しい監査報告書を発行することに同意する場合、監査人は、当年度の財務諸表のみに監査意見を表明しなければならない。(A11項参照)

(監査報告書日の前に入手したその他の記載内容について識別した重要な相違)

  • 9[その他の記載内容に修正が必要]であるが、経営者が修正することに同意しない場合、監査人は、[監査役等に当該事項を報告するとともに、以下のいずれかを行わなければならない]。(監査基準委員会報告書260「監査役等とのコミュニケーション」第14項参照)
    • (1)監査基準委員会報告書706「独立監査人の監査報告書における強調事項区分とその他の事項区分」第7項に従って監査報告書にその他の事項区分を設け、重要な相違について記載する。
    • (2)監査報告書を発行しない。
    • (3)可能な場合、監査契約を解除する。(A6項参照)

(監査報告書日の後に入手したその他の記載内容について識別した重要な相違)

  • 12[その他の記載内容に修正又は訂正が必要]であるが、経営者が修正又は訂正することに同意しない場合、監査人は、[監査役等にその他の記載内容に関する監査人の懸念を知らせる]とともに、[適切な措置を講じなければならない]。(A8項参照)
  • 15監査人は、[その他の記載内容に事実の重要な虚偽記載が存在すると判断]したが経営者がそれを修正又は訂正することに同意しない場合、[監査役等にその他の記載内容に関する監査人の懸念を知らせる]とともに、[適切な措置を講じなければならない]。(A10項参照)
  • 上記の()の中の表題及び[]の中の文章は、編集者加筆によるものです。
  • 44-2内部統制監査を含めた一体監査における監査役若しくは監査役会又は監査委員会(以下「監査役等」という。)とのコミュニケーションについては、財務諸表監査における要求事項に加えて、次の点に留意する必要がある。
    • (1)監査役等とのコミュニケーションを行うことが要求される事項
      一体監査での監査役等とのコミュニケーションについては、監査基準委員会報告書260「監査役等とのコミュニケーション」(以下「監査基準委員会報告書260」という。)により監査役等とのコミュニケーションが要求される事項に加えて、内部統制監査に係る次の事項に留意する。
      • 内部統制監査に関連する監査人の責任
        監査人は、内部統制監査に関連する監査人の責任について、監査役等とコミュニケーションを行わなければならない。内部統制監査に関連する監査人の責任についての監査役等とのコミュニケーションには、以下の事項を含めなければならない。
        • 監査人は、経営者が作成する内部統制報告書に対して監査意見を形成し、表明する責任を有すること
        • 内部統制監査は、経営者又は監査役等の責任を代替するものではないこと
      • 計画した監査の範囲とその実施時期の概要
        監査人は、計画した内部統制監査の範囲とその実施時期の概要について、監査役等とコミュニケーションを行わなければならない。
      • 監査上の重要な発見事項
        監査人は、内部統制監査の過程で発見され、経営者と協議したか又は経営者に伝達した重要な事項について監査役等とコミュニケーションを行わなければならない。
        内部統制監査における監査上の重要な発見事項としては、例えば、監査人が経営者の評価範囲が適切でないと判断し、経営者と協議又は経営者に伝達した重要な事項や内部統制監査の過程で監査人が発見した開示すべき重要な不備が含まれる。
        また、監査人は、内部統制監査報告書において除外事項付意見の表明若しくは強調事項区分又はその他の事項区分を設けることが見込まれる場合、当該文言の草案等について、監査役等に報告しなければならない。
      • 監査人の独立性
        上場企業の場合、監査人は、監査事務所とネットワーク・ファームが企業及び企業が支配する構成単位に対して提供した監査及び監査以外の業務に係る監査対象期間に関連した報酬金額について、監査役等とコミュニケーションを行わなければならないとされている(監査基準委員会報告書260 第15項参照)。
        一体監査の場合には、監査人は、当該「監査対象期間に関連した報酬金額」には、内部統制監査に関連した報酬も含めなければならない。なお、これらの報酬に関する情報は、監査人の独立性に与える影響を監査役等が評価するのに役立つ程度に集計し、適切に区分しなければならないとされている。
        ただし、監査役等の全員が関連する事実を知っていることが明らかな場合等、監査人の独立性に関するコミュニケーションを行わない場合もある。また、監査人の監査事務所とネットワーク・ファームが財務諸表監査及び内部統制監査以外に企業に関与することがほとんどないような場合には、監査人の独立性に関するコミュニケーションを行わないこともある(監査基準委員会報告書260A22項参照)。
    • (2)コミュニケーション・プロセス
      監査人は、想定されるコミュニケーションの手段、実施時期及び内容について、監査役等とコミュニケーションを行わなければならないとされている(監査基準委員会報告書260 第16項参照)。さらに、監査人は、職業的専門家としての判断により、口頭によるコミュニケーションが適切ではないと考える場合、監査上の重要な発見事項について、監査役等と書面によりコミュニケーションを行わなければならないとされている(監査基準委員会報告書260 第17項参照)。したがって、監査人は、監査の過程で識別した内部統制の重要な不備を、適時に、書面により監査役等に報告しなければならない(監査基準委員会報告書265「内部統制の不備に関するコミュニケーション」第8項参照)。このとき、内部統制評価の基準に規定する開示すべき重要な不備は、一般的に監査基準委員会報告書265「内部統制の不備に関するコミュニケーション」第5項に規定する重要な不備に含まれることに留意する(重要な不備と開示すべき重要な不備の関係については、付録6「内部統制の不備、重要な不備、開示すべき重要な不備の整理」を参照)。
    • (3)監査役等からの情報の入手
      監査役等とのコミュニケーションの目的には、監査人が監査に関連する情報を監査役等から入手することも含まれる(監査基準委員会報告書260 第8項(2)参照)。
      特に、内部統制実施基準においては、監査人は、監査役又は監査委員会の活動を含めた経営レベルにおける内部統制の整備及び運用状況を、統制環境やモニタリング等の一部として考慮することとされている。また、全社的な内部統制の整備及び運用の状況の検討に当たっては、監査役又は監査委員会における監視機能について確認することが重要であるとされている。
      したがって、監査人は、会社の統制環境やモニタリング等の重要な一部を担う監査役等との有効な双方向のコミュニケーションを通じて、監査役等から監査に関連する必要な情報を入手することが重要と考えられる。
  • 45内部統制監査の実施基準では、監査人は、内部統制監査の過程で発見した内部統制の開示すべき重要な不備については、会社法監査の終了日までに、経営者、取締役会及び監査役又は監査委員会に報告することが必要と考えられるとされている。
  • 46通常、会社法監査の終了日時点では、大部分の内部統制監査の手続の実施も終了していることが想定されるが、内部統制監査の一部の手続(例えば、有価証券報告書の作成に係る決算・財務報告プロセスの評価の検討)については終了していないと考えられる。したがって、内部統制監査報告書日付までの間に実施する手続により、経営者等に報告すべき内容が変更又は追加される可能性があることに留意する必要がある。また、会社法監査と金融商品取引法監査の監査報告書日付が異なるため、後発事象の検討対象期間も異なることから、会社法監査報告書日では認識していなかった内部統制の開示すべき重要な不備を特定することもある。監査人は、経営者、取締役会及び監査役又は監査委員会への報告に当たっては、経営者の内部統制報告書のドラフトを入手する等、内容を確認の上、書面又は口頭により報告を行う。会社法監査終了日時点での監査人の報告は、あくまでも内部統制監査の経過報告であることに留意する。
  • 219監査人は、内部統制監査の実施において内部統制の開示すべき重要な不備を発見した場合には、経営者に報告して是正を求めるとともに、当該開示すべき重要な不備の是正措置を適時に確認しなければならない。また、当該開示すべき重要な不備の内容及びその是正結果を取締役会及び監査役等に報告しなければならない。開示すべき重要な不備以外の内部統制の不備を発見した場合も、適切な管理責任者に報告しなければならない。
  • 223監査人は、内部統制監査の実施において不正又は法令に違反する重大な事実(以下「不正等」という。)を発見した場合には、経営者、取締役会及び監査役又は監査委員会に報告して適切な対応を求めるとともに、内部統制の有効性に及ぼす影響の程度について評価しなければならない。
  • 56四半期レビューの結果、四半期財務諸表について一般に公正妥当と認められる四半期財務諸表の作成基準に準拠して、企業の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況を重要な点において適正に表示していないと信じさせる事項が認められる場合には、監査人は、適切な階層の経営者に速やかに報告し、改善を求めなければならない。経営者が合理的な期間内に適切に対処しない場合は、監査人は監査役等に報告しなければならない。また、合理的な期間内に適切に対処しない場合は、監査人は、限定付結論とするかどうかの検討に加え、年度の財務諸表の監査及び四半期レビュー契約の継続の可否等についても検討する必要がある。
  • 56-2当該報告は、適時に行われる必要があり、口頭又は書面で行われる。いずれの方法によるかは、内容、影響度や重要性等、又は報告の時期によっても異なる。口頭で報告が行われた場合にも、監査人はその内容を四半期レビュー調書に記録する。
  • 56-3特に、四半期レビューの結果、不正や違法行為等の存在に気が付いた場合にも、監査人は、適切な階層の経営者及び監査役等に速やかに報告し、改善を求めなければならない。どの階層の経営者に報告するかは、共謀の可能性や経営者の関与等にも留意して決定する必要がある。
  • 57監査人は、四半期レビューに関連する監査人の責任、計画した四半期レビューの範囲とその実施時期の概要、四半期レビュー上の重要な発見事項及び監査人の独立性について、監査役等とコミュニケーションを行わなければならない。
  • 57-2監査人は、想定されるコミュニケーションの手段、実施時期及び内容について、監査役等とコミュニケーションを行わなければならない。
    • (1)監査人は、職業的専門家としての判断により、口頭によるコミュニケーションが適切ではないと考える場合には、監査役等と書面によりコミュニケーションを行わなければならない。
    • (2)監査人は、監査役等とのコミュニケーションを適時に行わなければならない。
    • (3)監査人は、口頭でコミュニケーションを行った場合には、いつ、誰と、どのような内容についてコミュニケーションを行ったかを四半期レビュー調書に記載しなければならない。また、書面でコミュニケーションを行った場合、その写しを四半期レビュー調書として保存しなければならない。
  • 58四半期レビューの過程において、財務報告プロセスに対する監査役等による監視にとって重要と判断した事項に監査人が気付いた場合には、監査役等に報告する必要がある。
  • 59監査人は、四半期レビュー報告書において除外事項付結論の表明若しくは強調事項区分又はその他の事項区分を設けることが見込まれる場合、当該文言の草案等について、監査役等に報告しなければならない。
  • 86その他の記載内容に修正が必要であるが、経営者が修正することに同意しない場合、監査人は、監査役等に当該事項を報告するとともに、以下のいずれかを行わなければならない。
    • (1)四半期レビュー報告書にその他の事項区分を設け、重要な相違について記載する。
    • (2)四半期レビュー報告書を発行しない。
    • (3)可能な場合、四半期レビュー契約を解除する。
  • 88監査人は、その他の記載内容に事実の重要な虚偽記載が存在すると判断したが経営者がそれを修正又は訂正することに同意しない場合、監査役等にその他の記載内容に関する監査人の懸念を知らせるとともに、適切な措置を講じなければならない。この適切な措置には、監査人の顧問弁護士に助言を求めることが含まれる。
  • 58監査人は、必要に応じてITを含む計画した監査の範囲とその実施時期の概要について、監査役若しくは監査役会又は監査委員会(以下「監査役等」という。)とコミュニケーションを行う。
    監査人は、経営者へのインタビューを行い、会社の情報システムに対する方針等の情報を入手し、必要があれば、監査計画の見直しを行う。
    監査人は、監査役等との定期的なコミュケーションにより、監査役等が実施するITを利用した内部統制評価の計画及び結果からの情報を入手し、利用することも考えられる。
  • 59監査人は、発見した情報システムに関する内部統制に係る重要な不備を、適切な階層の経営者及び監査役等に報告しなければならない。

2. 連携の時期及び情報・意見交換すべき基本的事項の例示(「監査役等と監査人との連携に関する共同研究報告」より抜粋)

(1)監査契約の新規締結時

  • 監査人の状況及び品質管理体制(不正リスクへの対応を含む。)
    • 監査法人(又は公認会計士)の概要
    • 欠格事由の有無
    • 会計監査人の職務の遂行に関する事項(会社計算規則第131条各号に掲げる事項)
      • 独立性に関する事項その他監査に関する法令及び規程の遵守に関する事項
      • 監査、監査に準ずる業務及びこれらに関する業務の契約の受任及び継続の方針に関する事項
      • 会計監査人の職務の遂行が適切に行われることを確保するための体制に関するその他の事項
    • 監査人に関する重要な事項(第三者によるレビュー・検査の結果等を含む。)
    • 当該年度の監査チーム編成
    • 監査契約の内容(監査見積時間数及び報酬額を含む。)及び非監査契約の有無及び内容
  • 前任監査人との引継の状況
  • 監査役等と前任監査人との連携の状況

(2)監査契約の更新時

  • 監査人の状況及び品質管理体制(上記(1)①に挙げられている事項)
  • 監査契約更新前に監査人が取締役と協議した重要な事項
  • 業務執行社員又は監査役・監査委員が交代した場合、その経緯

(3)監査計画の策定時

  • 監査人による監査計画(四半期レビュー計画及び内部統制監査計画を含む。)
    • 監査に関する監査人の責任
    • 経営環境、事業内容や利用している情報技術(IT)等の変化が監査計画に与える影響
    • 監査上の重要課題
    • 前期からの会計・監査上の検討事項及び内部統制上の重要な不備
    • 新たな会計基準の適用についての情報
    • 重要な会計方針(連結範囲を含む。)や会計処理に関する事項
    • 連結財務諸表の監査に関する事項
      • 子会社等の構成単位の財務情報について実施する作業の種類の概要
      • 重要な構成単位の財務情報について構成単位の監査人が実施する作業に関して親会社の監査人が予定している関与の概要社
    • 往査先(事業所・子会社等)、往査時期、監査日数、監査従事者数
    • 内部統制の評価の方法及び実施時期
    • 重要な実証手続の内容及び実施時期
    • 監査時間の見積り及び監査報酬額に関する事項
  • 監査役等による監査方針及び監査計画
    • 監査役等の監査体制
    • 監査役等監査の要点(監査方針、重点監査項目等)
    • 監査役等が監査人の監査に影響を及ぼすと判断した次の事項(監査役等は、その責任の範囲内において説明)
      • 企業目的及び戦略並びにこれらに関連して、財務諸表の重要な虚偽表示リスクとなる可能性のある事業上のリスク
      • 監査役等が、監査人の監査の実施中に特別に留意することが必要と考える事項、及び監査人に追加手続の実施を要請する領域
      • 監査役等が財務諸表監査に影響を与える可能性があると考える事項
      • 企業の法令等(会計基準や上場基準等を含む。)の遵守状況(変更への対応状況を含む。)
      • 内部統制の整備及び運用状況
      • 不正及び不正発生の可能性
      • 以前に協議した事項への対応状況

(4)四半期レビュー時

  • 監査人による四半期レビューの実施状況
  • 必要に応じて、未修正の虚偽表示の内容とそれが個別に又は集計して監査人の四半期財務諸表に対する結論に与える影響
  • 必要に応じて、監査人が要請した経営者確認書の草案(前期又は前四半期からの変更箇所に限ることも考えられる。)
  • 監査人の会計・レビュー上の検討事項(審査の状況を含む。)及び内部統制の重要な不備(改善状況を含む。)
  • 監査人の四半期レビュー報告書の記載内容
    • 四半期財務諸表に対する結論
    • 追記情報(強調事項又はその他の事項)に関する事項
    • 例えば、継続企業の前提に関する事項、重要な後発事象
  • 四半期報告書に関する事項
  • 監査役等監査の実施状況

(5)期末監査時

特に、会社法監査においては、会計監査人の監査の相当性を判断するに必要とされる十分な情報提供と説明・意見交換が必要となる。なお、中間監査の場合、以下の基本的事項の例示を参考に適宜対応する。

  • 監査人による監査の実施状況(当初の監査計画との相違点を含む。)
  • 監査人の会計・監査上の検討事項(審査の状況を含む。)及び内部統制の開示すべき重要な不備(内部統制監査を実施している場合)又は重要な不備の内容(改善状況を含む。)
  • 監査人の状況及び品質管理体制(上記(1)①に挙げられている事項についての変更点及び留意すべき点)
  • 未修正の虚偽表示の内容とそれが個別に又は集計して監査人の監査意見に与える影響
  • 監査人が要請した経営者確認書の草案
  • 監査人が監査した財務諸表が含まれる開示書類におけるその他の記載内容に修正が必要であるが、経営者が修正することに同意しない事項
  • 監査人の監査報告書の記載内容
    • 監査意見
    • 追記情報(強調事項又はその他の事項)に関する事項
      例えば、継続企業の前提に関する事項、重要な後発事象
  • 会社法監査終了時点での財務報告に係る内部統制に関する監査人の監査の状況
  • 有価証券報告書及び内部統制報告書に関する事項
  • 内部統制監査報告書に関する事項
    • 監査意見
    • 追記情報(強調事項又はその他の事項)に関する事項
  • 監査役等監査の実施状況
  • 監査役等の監査報告書の記載内容
  • 監査役等の財務報告に係る内部統制の監視の状況

(6)随時

  • 監査人が監査の実施過程で発見した違法行為又はその疑いに関連する事項
  • 監査人が会社に影響を与える不正を発見したか、疑いを抱いた事項(不正リスク対応基準の「不正による重要な虚偽の表示の疑義」を含む。)
    • 経営者による不正、不正による財務諸表の重要な虚偽表示、又はそれらの疑い
    • 内部統制において重要な役割を担っている従業員による不正又は不正の疑い
    • 前二者以外の者による財務諸表に重要な影響を及ぼす可能性がある不正又は不正の疑い
    • 監査を完了するために必要となる監査手続の種類、時期及び範囲
    • 不正に関連するその他の事項(監査役の責任に関連するもの)
  • 監査人が把握する会計上の変更及び誤謬の訂正に関する事項
  • ①から③までのほか、監査上の発見事項(軽微なものは除く。)
    • 会計方針、会計上の見積り及び財務諸表の開示を含む、企業の会計実務の質的側面のうち重要なものについての見解
    • 監査期間中に困難な状況に直面した場合、その状況
    • 監査の過程で発見し、経営者と協議したか経営者に伝達した重要な事項
    • 監査人が把握する関連当事者に関連する重要な事項
  • 監査人の監査計画の重要な修正に関する事項
  • 上記①から⑤への監査役等の対応
  • 監査役等が監査人の監査に影響を及ぼすと判断した次の事項(監査役等は、その責任の範囲内において説明)
    • 会社及び企業集団の経営環境の変化、業務執行方針・組織の変更、その他監査の過程で把握した情報
    • 監査役等が把握している不正、違法行為及びそれらの疑い
    • 監査役等が監査の過程で改善が必要と判断した事項
    • 監査人からの照会に対する、取締役会での議論の内容や、代表取締役などの経営トップと監査役等の意見交換の内容
    • 事業所・子会社への監査役等の往査結果等
    • 監査役等が注視している、監査人が必要な監査情報を入手できる監査環境の整備状況

(7)不正リスク対応基準に基づく対応

  • 監査人からの監査役等への報告
    • 不正による重要な虚偽の表示の疑義が識別された場合、その内容及び監査人が監査を完了するために必要となる監査手続の種類、時期及び範囲(不正リスク対応基準第二17)
    • 経営者の関与が疑われる不正が識別された場合、その内容及び監査人が経営者に求めた問題点の是正等の措置(同第二18)
  • ①への監査役等の対応
    • 監査役等が取締役から受けた報告
    • 監査役等が行った調査
    • 監査役等が講じた措置

(8)会社法第397条第1項及び金商法第193条の3その他法令等に基づく対応

  • 会計監査人から監査役等へ報告する取締役の職務執行に関する不正の行為又は法令若しくは定款に違反する重大な事実(会社法第397条第1項)
  • 監査人から監査役等へ通知する法令違反等事実(金商法第193条の3)
  • 内部調査委員会・第三者委員会への監査人の対応
  • 証券取引所への監査人の対応
  • 開示書類の訂正、過年度遡及会計基準の適用と監査人の監査対応
  • ①から⑤への監査役等の対応
    • 監査役等が取締役から受けた報告
    • 監査役等が行った調査
    • 監査役等が講じた措置

なお、日本監査役協会の会計委員会から公表された「会計監査人との連携に関する実務指針」(改正版: 平成26年4月10日付け)では、それぞれの項目についてさらに細かな解説が記載されています。

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